ブックタイトル夢ぷらざ vol59
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夢ぷらざ vol59
8海苔の養殖と聞くと自然に海で育つものと思いがちですが、実はかなりの手間を要します。福山市内海町で海苔養殖業を営む『マルコ水産』は、創業55年目の老舗。海苔の種付けから加工まで、一貫して自社で行っています。海苔養殖の工程は、毎年10月に行われる「種付け」から。糸状体になった海苔の胞子が付いた牡蠣殻を水槽に入れて、網を張った水車を水槽の上部で回します。すると、まだ目に見えない胞子が牡蠣殻から海水中に放出され、網に付着させることができるのです。均一に付着させるのがカギとなるので、状態は逐一顕微鏡で確認します。種を付け終わった網は冷凍庫で保管し、海水温が下がるのを待って養殖域に配置。次に行われるのは「育苗」で、種網を海中から引きあげ、不要な珪藻類などを洗い流し適度に乾かして戻す作業をひろしま夢ぷらざで買えるおいしいモノ繰り返します。その後いよいよ網は「本張り」へ。それまでの緻密な作業が実を結び、海苔は余計な海藻の侵入を許すことなく、すくすくと育ちます。「刈取り」は、潮風の冷たい12月下旬。海苔が育つ網を持ちあげ、もぐり船と呼ばれる船でその下をくぐります。その時、船の上部に設置した刈り機で海苔を刈り取っていくのです。刈った海苔はすぐに工場へ運ばれ、24時間以内に加工。洗浄、異物除去、撹拌、熟成という手順を経て、既定の大きさで乾燥し板海苔となるのです。通常「海苔師」の仕事はこの板海苔を作るところまでですが、マルコ水産では全国でも珍しい加工品製造までを手掛けています。それはひとえに、手間暇かけて育てた海苔をもっとも美味しい状態で食べて欲しいという思いから。看板商品の佃煮は、刈って洗浄した生海苔を贅沢に食人の手と瀬戸内海が育む海苔福山市4